
神経難病による頭痛とは
神経難病は、脳・脊髄・末梢神経・筋肉など神経系に障害をきたす疾患の総称で、原因の解明や根本的な治療法の確立が難しい疾患群を指します。
神経難病は長期間にわたる療養が必要となることが多く、患者様やご家族の身体的・精神的・経済的な負担が大きい疾患です。 しかし、疾患メカニズムの解明が進み、根本的な治癒は難しくても、症状をコントロールし日常生活の質を維持・向上させる治療法が多数開発されています。

主な対象疾患
疾患ごとに「疾患について」「主な症状」「治療について」を整理しています
パーキンソン病
神経変性疾患
運動症状
脳内の神経伝達物質であるドパミンが減少することで、脳からの運動指令が全身にうまく伝わらなくなる疾患です。 50~60歳代での発症が最も多いですが、若年発症や高齢発症もみられます。
主な症状
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振戦(安静時に手足がふるえる)
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筋固縮(筋肉のこわばり)
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動作緩慢(動作が遅く、小刻み歩行)
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姿勢保持障害(バランス低下、転倒しやすい)
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その他:表情が乏しい、声が小さい、気分の落ち込み など
初期は片側から始まり、進行すると両側に症状が現れます。
治療について
L-ドパ製剤、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬などを、症状・年齢・病期に応じて選択し組み合わせます。 必要に応じて連携病院での精密検査や専門治療のご紹介も行います。
多発性硬化症(MS)
自己免疫
脱髄疾患
神経線維を覆う髄鞘(ミエリン)が免疫系の異常により破壊される自己免疫性の脱髄疾患です。 中枢神経系の様々な部位に病変が生じ、多彩な神経症状が現れます。
主な症状
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視力障害(視神経炎)、複視
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四肢の運動障害、しびれ、感覚障害
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歩行障害、ふらつき
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排尿・排便障害
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構音障害(話しにくさ)
再発と寛解を繰り返すことが特徴で、適切な治療により再発予防が期待できます。
治療について
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急性期治療:ステロイドパルス療法
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再発予防:疾患修飾薬(DMD)による再発頻度低下・進行抑制
注射薬・内服薬による治療を提供し、必要に応じてリハビリを組み合わせます。
重症筋無力症(MG)
自己免疫
神経筋接合部
神経から筋肉への信号伝達が障害される自己免疫疾患です。神経筋接合部の受容体に対する抗体が産生され、筋力低下が生じます。 胸腺の異常が関与していることが多いとされています。
主な症状
筋肉を使うほど疲れやすく、休むと回復するのが特徴です。朝は軽く、夕方に悪化する日内変動がみられます。
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眼瞼下垂
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複視
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嚥下障害
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構音障害
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四肢の筋力低下
治療について
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抗コリンエステラーゼ薬
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免疫療法(ステロイド、免疫抑制薬)
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血液浄化療法(血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法)
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外科的治療(胸腺摘出術:胸腺異常がある場合)
合併症や薬剤副作用の管理も含め、総合的に診療します。
多系統萎縮症(MSA)
神経変性疾患
自律神経症状
小脳、基底核、自律神経系など複数の神経系が障害される非遺伝性の神経変性疾患です。 オリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群に分類されます。
主な症状
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小脳症状:歩行時のふらつき、運動失調
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パーキンソン症状:動作緩慢、筋固縮、転倒しやすさ
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自律神経症状:起立性低血圧、排尿障害、便秘
進行により症状が重複して現れることが多くなります。
治療について
根本的治療法はありませんが、対症療法、薬物療法、リハビリ、生活指導により症状の改善とQOL維持を図ります。
ギランバレー症候群
急性
末梢神経
ウイルスや細菌感染をきっかけに、末梢神経が障害される急性の疾患です。 手足の筋力低下が急速に進行し、数日で歩行困難になることもあります。
主な症状
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急速な手足の筋力低下
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数日で歩行困難
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感覚障害
治療について
免疫グロブリン大量静注療法や血漿交換療法により、多くの場合回復が期待できます。急性期の適切な治療が重要です。
大脳皮質基底核変性症(CBD)
神経変性疾患
片側優位
パーキンソン症状と大脳皮質症状が同時に現れる疾患です。片側優位の症状が特徴で、専門医による診断が重要です。
主な症状
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片側優位の運動障害
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動作のぎこちなさ
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言語障害
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認知機能障害
治療について
対症療法とリハビリテーションにより、生活の質の維持を図ります。正確な診断が治療の第一歩です。